回路を制作していると精度はどうでもいいから発振器がほしいってことありますよね。(ブザーとか増幅器のテストとか)
そんな時に使える簡単な発振器を矩形波と正弦波一つずつ紹介します。
コイルや水晶振動子を使わず、そこら辺に落ちていそうな部品だけで構成できます。
スピーカーで聞き取りやすいように例の数値は約2kHzで発振するようにしました。
矩形波:無安定マルチバイブレータ
回路図

定数
$$f \approx \frac{ 1 }{ 2.6 \cdot R1 \cdot C1 }$$
使うNOT回路ICによって2.6の定数部分が変化するのでかなり誤差が出ます。
R2はICを保護するための抵抗なのでショートさせても動作します。その場合周波数が若干高くなります。
解説
実際に作ってみました。



右から一番目と真ん中のICの間からも出力はとれますが波形が鈍ります。
その代わりにNOTを一つ減らすことが出来ます。

1MΩの抵抗をショートさせました。
受動部品が2つだけになるのでかなりお手軽です。


シュミットトリガを使うと部品数が更に少なくなり、たったの1ゲートとRCのみで発振させることが出来まが、その回路は別記事にて紹介します。
正弦波:ツインT型発振回路
回路図

定数
定数設定が上のマルチバイブレータより面倒な回路です。また回路図に乗っている数値は落ちていた部品を無理に使おうとした結果です。
R2=R3,C1=C2,R1=R1÷Av,C3=C1×Avのとき
$$f \approx \frac{ 1 }{ 2π \cdot R2\cdot C1}$$
Avの値より大きく増幅しないと発振しません。
R4は正弦波の歪を減らすための抵抗で、R5は単なるコレクタ抵抗です。
解説
その名の通りツインTノッチフィルタを利用した発振回路です。
ツインTフィルタはある周波数を減衰させながら位相を反転させるので負帰還に組み込めば発振します。
トランジスタ一石、RCのみの割には歪の少ない正弦波を出力できます。
エミッタフォロワなどのバッファ回路を出力に入れた方が無難です。



歪低減抵抗は10k〜12kが推奨です。高いと発振しません。低いと歪みます。

オーディオアナライザのTHDメータを校正するのに、基本波、2-10次の発振回路を組み、オーディオミキサで加算してできればいいにゃw
基本波と各次数の振幅比率から高調波ひずみを測定するのだから、基本波以外を
ON/OFFできたりしたらいいにゃw