前回はデジタルについて大まかに解説しました。「コンピュータは電気をデジタルとして表し計算する」と説明しましたが、実際0と1のデジタルでどのように計算を行うのでしょうか?
今回はデジタルによる計算を理解するために必要な前提知識、論理演算について解説していきます。
2進数について
普段私達が使ってる数は10進数です。0〜9と10回数えると桁上がりします。2進数は0〜1の2回だけ数えて桁上がりします。

0と1だけでも普段私達が使う数を表すことが出来ることがおわかりいただけたでしょうか?2進数のおかげで電圧の高い低いだけで数を表現できるようになりました。
ちなみに2進数を使えば10本の指で1023まで数えることが出来ます。
論理演算について
論理演算(ブール演算)とは真偽から真偽を求める演算です。数学で言うところの命題です。
対をなす2値しかもたない情報(2進数の場合は”0″か”1″、電気の場合は電圧が”高い”か”低い”)ならどんな値でも”真”と”偽”に当てはめることができます。この値を真理値と呼びます。
言葉で説明するのは難しいので実際の演算を見ていきましょう。難しいことは考えず「そういうものなんだなぁ」と飲み込んでしまうのが一番です。
ちなみに普通の計算は算術演算とよばれます。
NOT(論理反転)
真理値の値を反転させたものが結果になります。
- “真”を’NOT’すると“偽”
- “偽”を’NOT’すると“真”
OR(論理和)
日本語訳すると〜又は〜です。NOT演算は1つの真理値に対して演算を行いましたが、ここ以下で紹介する演算は2つ以上の真理値に対して演算をします。
1つでも真が入っていると結果は真になります。
- “偽”と“偽”を’OR’すると“偽”
- “偽”と“真”を’OR’すると“真”
- “真”と“偽”を’OR’すると“真”
- “真”と“真”を’OR’すると“真”
AND(論理積)
日本語訳すると〜かつ〜です。
1つでも偽が入っていると結果は偽になります。
- “偽”と“偽”を’AND’すると“偽”
- “偽”と“真”を’AND’すると“偽”
- “真”と“偽”を’AND’すると“偽”
- “真”と“真”を’AND’すると“真”
XOR(排他的論理和)
エクスクルーシブオアと読みます。
真が奇数なら真、偽が奇数なら偽になります。
- “偽”と“偽”を’XOR’すると“偽”
- “偽”と“真”を’XOR’すると“真”
- “真”と“偽”を’XOR’すると“真”
- “真”と“真”を’XOR’すると“偽”
次回予告:論理ゲートについて
論理演算を実際に行う回路を論理ゲートと呼びます。論理ゲートには図記号が定まっており、論理演算を図に示すことができます。
次回は論理ゲートとその図記号について紹介する予定です。